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Cloud AI エンジニア入門ガイド
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08. Claudeのファイルとリサーチ

チャットで質問するだけなら、Claudeは物知りな相談相手どまりです。手元の資料を読ませ、最新情報を取りに行かせ、成果物をファイルで出させる。ここまで来て、はじめて仕事の道具になります。

その入口と出口を扱います。

この章の全体像として、読ませる、作らせる、調べさせる、出典を確認の4つを番号順に並べ、出典付きの答えを自分の手で検証できるようになることを示した図

シリーズ目次前章: 07. ClaudeのProjects・Artifacts・メモリ次章: 09. Claude SkillsとConnectors

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この章のねらい

ファイルを読ませる

Claudeアプリでは、メッセージにファイルを添付して質問できます。現行のClaudeモデルはいずれも文章と画像の両方を入力として受け取れます。

種類使い方の例
画像・スクリーンショットエラー画面を貼って「これは何が起きていますか」
PDF契約書や論文を添付して「重要な条項を抜き出して」
テキスト・コードログを貼って「異常な箇所を指摘して」
表計算データCSVを添付して「上位10件を集計して」

写真の中の文字も読み取れるので、紙の資料をスマートフォンで撮って質問する使い方も通ります。

添付できる大きさや形式には上限があり、プランや利用面によっても違います。大きな資料は必要な章だけ切り出して渡してください。精度の面でも上限の面でも、そのほうが有利です。

Important

添付した内容はコンテキストに丸ごと乗ります(第4章)。50ページのPDFを添付したまま会話を50往復すれば、毎回そのPDFを読み直している計算です。使い終わった資料は、新しい会話へ切り替えて外してください。

ファイルを作らせる

Claudeは読むだけでなく、ファイルを作ることもできます。表計算、文書、プレゼンテーション、PDFといった形式に対応しており、「この集計結果をExcelにして」と頼めば、ダウンロードできるファイルが返ってきます。

内部では、Claudeがその形式を扱うプログラムを書いて実行しています。これを支えているのがSkillsという機能で、次章で詳しく扱います。

ひとつだけ。生成されたファイルの中身は必ず開いて確認してください。数値の集計や書式の適用は、指示の解釈しだいで意図とずれることがあります。

Web検索:最新情報を取りに行く

第2章で見たとおり、モデルには知識のカットオフがあります。それより後の出来事を答えさせるには、Web検索が必要です。

Claudeアプリでは、Web検索を有効にすると、必要と判断したときにモデルが自分で検索を実行し、結果を踏まえて答えます。回答には参照したページへのリンクが添えられます。

使うべき場面ははっきりしています。

Web検索を使うべき使わなくてよい
今日の出来事、最新のニュース一般的な概念の説明
現在の価格、仕様、バージョン手元の文書の要約
特定の企業や製品の近況文章の書き換え・校正
「最新の」と付く質問すべて数学の問題を解く

軸はひとつ、その答えは時間とともに変わるか、だけです。

左にWeb検索を使うべき質問、右に使わなくてよい質問を並べ、時間とともに変わる情報かどうかで分かれることを示した左右対比の図

リサーチ:調べものを最後まで任せる

リサーチは、Web検索を一段進めた機能です。一度検索して終わりではなく、調査を計画し、検索と閲覧を何度も繰り返して、集めた情報を統合して報告にまとめます。

調査を計画し、検索と閲覧を繰り返して論点を埋め、出典付きでまとめるまでの流れ図

Web検索が1つの疑問に対する1回の調べものなら、リサーチはレポート作成を丸ごと任せるのに近い。そのぶん時間もかかります。数分待つことも珍しくありません。

用途向いている機能
「この用語の意味は?」通常の応答
「この製品の現在の価格は?」Web検索
「この分野の主要プレイヤーと最近の動向を整理して」リサーチ
「この長い数学の問題を解いて」思考(エフォートを上げる)
Tip

リサーチを始める前に、知りたい論点を自分で3〜5個挙げてから頼んでください。A市場について調べて、より、A市場について、①市場規模 ②主要企業 ③直近1年の規制動向 を調べて、のほうが報告の構造も安定します。

出典を確認する習慣

この節を飛ばさないでください。

検索やリサーチを使った回答には出典が付きますが、出典が付いていることと、内容が正しいことは別です。こういうずれが起こります。

ずれの種類具体例
出典はあるが解釈が違う元記事の条件付きの記述を、断定として要約している
情報が古い検索で見つかったページ自体が数年前のもの
出典の質が低い一次情報ではなく、まとめ記事を根拠にしている
数字の取り違え複数の年度の数字が混ざっている

したがって、次の3点は自分で確認してください。

  1. リンクを1つは実際に開く — 特に、意思決定に影響する数字や日付が含まれる箇所
  2. 一次情報かどうかを見る — 公式サイト・公式文書に当たっているか
  3. 日付を確認する — 引用元のページがいつのものか

起こりうるずれと、それに対する確認手順を並べると次のとおりです。

出典付きの回答から起こりうる4種類のずれを挙げ、リンクを開く、一次情報かを見る、日付を確認するという3つの確認手順を並べた図

Important

AIが検索して答えたから正しい、という判断は成立しません。検索は知識のカットオフを補う手段であって、正確性を保証する手段ではありません。第14章で改めて扱います。

組み合わせて使う

実務では、これらを組み合わせます。典型的な流れはこうです。

  1. 手元の資料(PDFやCSV)を添付して現状を整理させる
  2. Web検索やリサーチで、外部の最新情報を補う
  3. 両方を踏まえた文書やスライドをファイルとして出力させる
  4. 出力を開いて確認し、出典をたどって検証する

4番目を省略しないでください。ここでAIを使った仕事の品質が決まります。

要点

参考資料


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