チャットで質問するだけなら、Claudeは物知りな相談相手どまりです。手元の資料を読ませ、最新情報を取りに行かせ、成果物をファイルで出させる。ここまで来て、はじめて仕事の道具になります。
その入口と出口を扱います。
シリーズ目次 / 前章: 07. ClaudeのProjects・Artifacts・メモリ / 次章: 09. Claude SkillsとConnectors
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この章のねらい
- どんなファイルを読ませられるかを把握する
- Web検索とリサーチの違いを理解し、使い分けられるようになる
- AIが示した情報を検証する手順を身につける
ファイルを読ませる
Claudeアプリでは、メッセージにファイルを添付して質問できます。現行のClaudeモデルはいずれも文章と画像の両方を入力として受け取れます。
| 種類 | 使い方の例 |
|---|---|
| 画像・スクリーンショット | エラー画面を貼って「これは何が起きていますか」 |
| 契約書や論文を添付して「重要な条項を抜き出して」 | |
| テキスト・コード | ログを貼って「異常な箇所を指摘して」 |
| 表計算データ | CSVを添付して「上位10件を集計して」 |
写真の中の文字も読み取れるので、紙の資料をスマートフォンで撮って質問する使い方も通ります。
添付できる大きさや形式には上限があり、プランや利用面によっても違います。大きな資料は必要な章だけ切り出して渡してください。精度の面でも上限の面でも、そのほうが有利です。
添付した内容はコンテキストに丸ごと乗ります(第4章)。50ページのPDFを添付したまま会話を50往復すれば、毎回そのPDFを読み直している計算です。使い終わった資料は、新しい会話へ切り替えて外してください。
ファイルを作らせる
Claudeは読むだけでなく、ファイルを作ることもできます。表計算、文書、プレゼンテーション、PDFといった形式に対応しており、「この集計結果をExcelにして」と頼めば、ダウンロードできるファイルが返ってきます。
内部では、Claudeがその形式を扱うプログラムを書いて実行しています。これを支えているのがSkillsという機能で、次章で詳しく扱います。
ひとつだけ。生成されたファイルの中身は必ず開いて確認してください。数値の集計や書式の適用は、指示の解釈しだいで意図とずれることがあります。
Web検索:最新情報を取りに行く
第2章で見たとおり、モデルには知識のカットオフがあります。それより後の出来事を答えさせるには、Web検索が必要です。
Claudeアプリでは、Web検索を有効にすると、必要と判断したときにモデルが自分で検索を実行し、結果を踏まえて答えます。回答には参照したページへのリンクが添えられます。
使うべき場面ははっきりしています。
| Web検索を使うべき | 使わなくてよい |
|---|---|
| 今日の出来事、最新のニュース | 一般的な概念の説明 |
| 現在の価格、仕様、バージョン | 手元の文書の要約 |
| 特定の企業や製品の近況 | 文章の書き換え・校正 |
| 「最新の」と付く質問すべて | 数学の問題を解く |
軸はひとつ、その答えは時間とともに変わるか、だけです。
リサーチ:調べものを最後まで任せる
リサーチは、Web検索を一段進めた機能です。一度検索して終わりではなく、調査を計画し、検索と閲覧を何度も繰り返して、集めた情報を統合して報告にまとめます。
Web検索が1つの疑問に対する1回の調べものなら、リサーチはレポート作成を丸ごと任せるのに近い。そのぶん時間もかかります。数分待つことも珍しくありません。
| 用途 | 向いている機能 |
|---|---|
| 「この用語の意味は?」 | 通常の応答 |
| 「この製品の現在の価格は?」 | Web検索 |
| 「この分野の主要プレイヤーと最近の動向を整理して」 | リサーチ |
| 「この長い数学の問題を解いて」 | 思考(エフォートを上げる) |
リサーチを始める前に、知りたい論点を自分で3〜5個挙げてから頼んでください。A市場について調べて、より、A市場について、①市場規模 ②主要企業 ③直近1年の規制動向 を調べて、のほうが報告の構造も安定します。
出典を確認する習慣
この節を飛ばさないでください。
検索やリサーチを使った回答には出典が付きますが、出典が付いていることと、内容が正しいことは別です。こういうずれが起こります。
| ずれの種類 | 具体例 |
|---|---|
| 出典はあるが解釈が違う | 元記事の条件付きの記述を、断定として要約している |
| 情報が古い | 検索で見つかったページ自体が数年前のもの |
| 出典の質が低い | 一次情報ではなく、まとめ記事を根拠にしている |
| 数字の取り違え | 複数の年度の数字が混ざっている |
したがって、次の3点は自分で確認してください。
- リンクを1つは実際に開く — 特に、意思決定に影響する数字や日付が含まれる箇所
- 一次情報かどうかを見る — 公式サイト・公式文書に当たっているか
- 日付を確認する — 引用元のページがいつのものか
起こりうるずれと、それに対する確認手順を並べると次のとおりです。
AIが検索して答えたから正しい、という判断は成立しません。検索は知識のカットオフを補う手段であって、正確性を保証する手段ではありません。第14章で改めて扱います。
組み合わせて使う
実務では、これらを組み合わせます。典型的な流れはこうです。
- 手元の資料(PDFやCSV)を添付して現状を整理させる
- Web検索やリサーチで、外部の最新情報を補う
- 両方を踏まえた文書やスライドをファイルとして出力させる
- 出力を開いて確認し、出典をたどって検証する
4番目を省略しないでください。ここでAIを使った仕事の品質が決まります。
要点
- 現行のClaudeモデルは文章と画像を入力として受け取れ、PDFやCSVなども添付して扱える
- 添付内容はコンテキストを消費するため、不要になったら会話を切り替えて外す
- Web検索は1回の調べもの、リサーチは調査を計画して繰り返す機能。目的に応じて使い分ける
- リサーチは、知りたい論点を先に3〜5個挙げて渡すと精度が上がる
- 出典が付いていることは正しさの保証ではないため、リンクを開いて一次情報と日付を確認する
参考資料
- Claude ヘルプセンター「Enable and use web search」 https://support.claude.com/ — Web検索の有効化と挙動
- Claude ヘルプセンター「Use research on Claude」 https://support.claude.com/ — リサーチ機能の使い方
- Claude ヘルプセンター「Create and edit files with Claude」 https://support.claude.com/ — ファイル生成
- Claude Platform ドキュメント「PDF support」 https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/pdf-support — PDF入力の制限
- Claude Platform ドキュメント「Models overview」 https://platform.claude.com/docs/en/about-claude/models/overview — 画像入力の対応状況(基準日: 2026-08-09)
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