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Cloud AI エンジニア入門ガイド
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07. ClaudeのProjects・Artifacts・メモリ

Claudeを使い続けていると、必ず同じ不満に行き当たります。毎回同じ前提を説明するのが面倒。せっかく書かせた長い文章が会話の中に埋もれる。前に伝えたことを覚えていてほしい。

この3つに対応するのが、ProjectsとArtifactsとメモリです。

この章の全体像として、文脈は層、Artifacts、Projects、メモリの4つを番号順に並べ、その情報をどこへ置くべきかを自分で判断できるようになることを示した図

シリーズ目次前章: 06. Claude プロンプトの基本次章: 08. Claudeのファイルとリサーチ

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この章のねらい

文脈は層になっている

Claudeが応答を作るときに参照する情報は、層になっています。

メモリ・Project・会話・メッセージという文脈の層と、会話から枝分かれするArtifactを示した図

外側の層ほど寿命が長く、内側の層ほど今回限りです。ここを押さえておくと、この情報はどこに書くべきかの判断が付きます。

寿命置くべき情報の例
メモリアカウント全体・継続的呼び名、常用する言語、文体の好み
Projectその案件が続く間用語集、仕様書、案件固有のルール
会話そのスレッドの間今日取り組んでいる具体的な課題
メッセージ今回限りこの1回の依頼内容

Artifacts:成果物を会話から切り離す

Artifacts(アーティファクト)は、Claudeが作った成果物を会話の流れとは別の枠に表示する機能です。

長いコード、記事の原稿、表、HTMLで作った簡単な画面などが対象になります。チャットの吹き出しの中で延々とスクロールする代わりに、右側などの専用領域に開かれ、そこで読んだり編集したりできます。

効いてくるのは、繰り返し直すときです。

  1. 「この記事の原稿を書いて」→ Artifactとして原稿が生成される
  2. 「3段落目をもっと具体的に」→ 同じArtifactが更新される
  3. 「見出しを付け直して」→ また更新される

会話には修正のやりとりだけが残り、成果物は常に最新版が1つだけある。原稿を毎回まるごと再掲させずに済みます。

繰り返しの様子を図にすると、次のとおりです。

左に会話の中の3つの修正依頼、右に更新され続ける1つのArtifactを置き、会話には修正のやりとりだけが残ることを示した図

作った成果物は、リンクとして共有することもできます。

Tip

長くなりそうな成果物はArtifactになりやすく、短い返答はそのまま会話に書かれます。意図的にArtifactにしたいときは、成果物として出して、Artifactにして、と明示すれば通ります。

Projects:案件ごとに文脈をためる

Projects(プロジェクト)は、関連する会話をひとまとめにする箱です。ただの整理用フォルダと違うのは、次の2つを持てるところです。

持てるもの役割
プロジェクトの資料アップロードしたファイル。その中の全会話から参照される
カスタム指示そのプロジェクト内で常に効く指示

たとえば、製品Aのドキュメント整備というプロジェクトを作って、そこに用語集と既存マニュアルを入れ、カスタム指示に常体で書く、製品名は正式名称を使う、と書いておきます。すると、そのプロジェクト内で新しい会話を始めるたびに、これらが自動で効きます。

毎回の会話でやっていた前提の説明が、プロジェクト単位で一度きりになる。ここに尽きます。

Projectsは、業務での使い方がいちばん分かりやすく出る機能でもあります。

プロジェクトの例入れておく資料カスタム指示の例
顧客向け提案書過去の提案書、料金表「敬体で書く」「価格は税抜で表記」
社内マニュアル整備用語集、既存マニュアル「専門用語は初出時に注釈」
学習ノート教材のPDF「必ず具体例を1つ添える」
Important

プロジェクトの資料もコンテキストを食います。関係の薄い資料を大量に入れると、かえって必要な情報が埋もれます。その案件で毎回参照するものだけに絞ってください。

メモリ:会話をまたいで引き継ぐ

メモリは、会話が変わっても引き継がれる情報です。Projectsが案件単位なのに対して、メモリはアカウント全体に効きます。

適しているのは、案件によらず変わらない情報です。

メモリの内容は確認・編集でき、書き出し(エクスポート)と取り込み(インポート)にも対応しています。

Note

メモリは、覚えていてくれると楽なことを入れる場所です。機密情報の保管場所ではありません。何が記録されているかは定期的に確認してください。データの扱い全般は第15章で。

3つの使い分け

迷ったときの判断基準です。

状況使うもの
成果物を何度も直したいArtifacts
同じ資料を何度も参照させたいProjects
同じルールを毎回適用したい(案件内)Projectsのカスタム指示
同じルールを毎回適用したい(全般)メモリ
今回だけの条件メッセージに直接書く

よくある失敗が、すべてをメモリに入れようとすることです。案件固有のルールをメモリに入れると、無関係な会話にまで適用されて邪魔になります。その情報が有効な範囲に合わせて置き場所を選んでください。

判断の分かれ道を1枚にすると、次のとおりです。

「その情報はどこまで効いてほしいか」から、メモリ、Projects、メッセージ、Artifactsの4つへ枝分かれする分岐図

シークレット会話という選択肢

記録を残したくないやりとりのために、履歴に保存されないシークレット(Incognito)の会話も用意されています。

この場合、メモリやProjectsの前提は使われず、会話も残りません。機微な内容を試しに扱いたいとき、履歴を汚したくない一時的な質問に向きます。

要点

参考資料


シリーズ目次前章: 06. Claude プロンプトの基本次章: 08. Claudeのファイルとリサーチ


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