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Cloud AI エンジニア入門ガイド
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01. Claudeとは何か

Claudeを使っています。この一文だけでは、何も特定できません。ブラウザでチャットしているのか。ターミナルでコードを書かせているのか。自社サービスに組み込んでいるのか。どれもClaudeを使っているのですが、やっていることはまるで違います。

まず、この混乱の元になっているClaudeという名前の多義性をほどきます。

この章の全体像として、5つのClaude、層の分け方、沿革の節目、目的別の入口の4つを番号順に並べ、「Claudeを使っている」が何を指すのか切り分けられるようになることを示した図

シリーズ目次次章: 02. Claudeモデルファミリーの読み方

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この章のねらい

「Claude」が指す5つのもの

開発元から押さえます。Anthropic(アンソロピック)は、Claudeを開発しているアメリカの企業です。2021年に設立され、AIの安全性研究を中心に据えていると標榜しています。Anthropicは会社名で、Claudeというブランドそのものではありません。

そのうえで、Claudeという言葉が指すものは5つあります。

Anthropicを頂点に、Claudeモデルから「そのまま使う製品」と「開発者向けの製品」の2群へ枝分かれする関係図

1. Claudeモデル(AIの本体)

モデルは、大量の文章で訓練されたAIのプログラム本体です。Claude Opus 5Claude Sonnet 5 といった名前が付いていて、これが実際に文章を読み、考え、答えを生成しています。

以降のすべての製品は、このモデルを中で動かしているだけです。アプリを使おうがAPIを使おうが、答えているのは同じ系統のモデルです。

2. Claudeアプリ(チャット画面)

一般ユーザーが最初に触るのがこれです。ブラウザ(claude.ai)、デスクトップアプリ、スマートフォンアプリの3つの形があり、いずれも「メッセージを送ると返事が返ってくる」チャット形式です。

ファイルを添付したり、Web検索をさせたり、資料を作らせたりできます。詳しくは第5章以降で扱います。

3. Claude Code(開発作業のエージェント)

エージェントは、指示を受けてから自分で手順を決めて、複数の作業を続けて実行するAIです。チャットが聞いて答えるなら、エージェントは頼まれて仕上げる。そういう働き方です。

Claude Codeは、そのうちソフトウェア開発に特化したものです。ソースコードを読み、ファイルを書き換え、コマンドを実行し、テストを走らせるところまで自分で行います。ターミナル、エディタの拡張機能、デスクトップアプリ、ブラウザなど複数の場所で動きます(第11章)。

4. Claude Cowork(事務作業のエージェント)

Claude Coworkは、プログラミングをしない人向けのエージェントです。手元のファイルやフォルダ、連携したアプリを参照しながら、複数の手順にまたがる作業を進めます。2026年1月に発表され、同年7月にはクラウド側で動く方式へ広がり、Web版とモバイル版が案内されています(第10章)。

5. Claude API(組み込み用の窓口)

API(Application Programming Interface)は、プログラムから別のプログラムを呼び出すための入り口です。自社のアプリやサービスにClaudeの機能を埋め込みたい開発者は、これを使います(第12章)。

「アプリ」と「モデル」を混同しないために

この2つの層の区別で、たいていつまずきます。

質問どの層の話か
「Claudeは画像を作れますか?」アプリ・モデルの機能の話
「Claudeは有料ですか?」プラン(アプリ側)の話
「Claudeは何トークンまで読めますか?」モデルの仕様の話
「Claudeは私の会話で学習しますか?」製品ごとの方針(設定)の話

レストランにたとえるなら、モデルは厨房のシェフ、アプリは客席とメニュー、APIは仕出しの注文窓口です。同じシェフが作っていても、客席で食べるのと仕出しで受け取るのとでは、値段も提供形式もルールも違います。

1枚にすると、質問がどの層の話なのかを切り分けやすくなります。

上段にClaudeモデルを厨房のシェフとして置き、下段にClaudeアプリ・Claude CodeとCowork・Claude APIを客席、出張、仕出し窓口として並べ、面ごとに料金や権限のルールが変わることを示した図

Note

このシリーズでは、モデルそのものを指すときはモデル、あるいはClaude Opus 5のように具体名で、チャット画面を指すときはClaudeアプリと書き分けます。単にClaudeと書いたときは、ブランド全体を指しています。

沿革をざっと押さえる

細かい年表を覚える必要はありません。ただ、いつごろ何が変わったかを知っておくと、ネット上の古い記事に振り回されずに済みます。

Anthropic設立からClaude 5系までの主要な出来事を縦に並べた年表

節目だけ言葉にすると、次のようになります。

時期何が起きたか
2021年Anthropic設立
2023年3月Claude 1を限定公開
2023年7月Claude 2を一般公開
2023年11月Claude 2.1でコンテキストを20万トークンへ拡大
2024年3月Claude 3で「Haiku・Sonnet・Opus」の3段階が登場
2025年Claude 4系・4.5系。コーディングとエージェント用途が主戦場に
2026年前半Claude 4.6系・4.7系。思考の仕組みが「アダプティブ思考」へ移行
2026年6〜7月Claude 5系(Fable 5・Opus 5・Sonnet 5)が登場

2024年に定着したHaiku、Sonnet、Opusというサイズ名は、いまも使われています。世代番号は上がっても、この3つの呼び名だけは変わっていません。名前の読み方は次章で詳しく扱います。

Tip

インターネット上のClaude解説記事は、書かれた時期で内容がまるで違います。記事に出てくるモデル名、たとえば Claude 3 Opus が古い世代のものなら、そこに書かれた性能や制限の話はいまのClaudeに当てはまりません。

どこから触るのがよいか

目的別の入口は次のとおりです。

やりたいことまず触るもの解説する章
質問したい・文章を書かせたいClaudeアプリ第5章・第6章
資料や表を作らせたいClaudeアプリ(Artifacts・Skills)第7章・第9章
調べものを任せたいClaudeアプリ(Web検索・リサーチ)第8章
定型の事務作業を任せたいClaude Cowork第10章
コードを書かせたいClaude Code第11章
自社サービスに組み込みたいClaude API第12章

やりたいことを起点にすると、入口はほぼ一意に決まります。

「まず何をしたいか」から、Claudeアプリ、Claude Cowork、Claude Code、Claude APIの4つの入口へ枝分かれし、それぞれ対応する章を示した分岐図

まったくの初めてなら、Claudeアプリから始めてください。エージェント機能やAPIは、チャットで何が得意で何が苦手かの感覚をつかんでからのほうが、うまく使えます。

要点

参考資料


シリーズ目次次章: 02. Claudeモデルファミリーの読み方


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