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01. AstroPaperとは何か:最小限で始めるブログテーマ

この章の全体像として、Astroのテーマ、4つの価値、できること、技術スタックの4つを番号順に並べ、このテーマを選ぶ理由を説明できるようになることを示した図

シリーズ目次 次章: 02. AstroPaperのインストールと開発サーバーの起動

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この章のねらい

まずAstroPaperの立ち位置を押さえます。Astroとは何が違うのか。WordPressのようなブログサービスとは何が違うのか。ここがはっきりしていないと、以降の章で出てくる設定やファイルの意味が入ってきません。

AstroPaperはAstroの「テーマ」

AstroPaperは、AstroというWebフレームワークの上に作られたブログ用テーマです。

用語を整理しておきます。

料理にたとえると、Astroがキッチンと調理器具、AstroPaperがレシピと下ごしらえ済みの材料です。Astroだけ渡されたら記事一覧ページから自分で書くことになりますが、AstroPaperなら記事のMarkdownを置くだけで動きます。

AstroPaperはコピーして自分のものにするテンプレートです。インストールして使うライブラリではありません。プロジェクトを作ると、テーマのソースがそのまま自分のリポジトリに入ります。だから気に入らない部分は直接書き換えられます。

AstroPaperを構成する3つの層と、生成される静的サイトの関係を示した図

日常的に触るのは一番上の層、つまり設定と記事と配色です。その下にAstroPaperが用意した画面と部品があり、さらに下にAstro本体があります。上の層だけで運用し続けても構いませんし、必要になったら下へ降りればいい。

AstroPaperが掲げている4つの価値

AstroPaperのREADMEは、このテーマを次の4語で説明しています。

価値意味具体的な実現方法
Minimal(最小限)装飾を削ぎ落とし、文章を読ませることに集中する余白中心のレイアウト、控えめな色数、1本のアクセント色
Responsive(レスポンシブ)スマートフォンからデスクトップまで崩れないTailwind CSSによる可変レイアウト
Accessible(アクセシブル)キーボードや読み上げソフトでも使えるフォーカス表示、aria-label、スキップリンク
SEO-friendly検索エンジンに正しく理解されるメタ情報、OGP、サイトマップ、RSSの自動生成

アクセシブルというのは、マウスを使わない人や、画面を読み上げるソフトを使う人でも、同じように情報にたどり着けるという意味です。AstroPaperなら、キーボードの Tab キーでリンクを移動したときに、いまどこを選んでいるかが破線の枠ではっきり出ます。

4つの価値はばらばらに見えますが、出発点はどれも同じで、読み手が困らないことです。

Minimal、Responsive、Accessible、SEO-friendlyの4つの価値を2行2列に並べ、それぞれの意味と具体的な実現方法を示した図

何ができるテーマなのか

テンプレートを取得した時点で、次の機能が動く状態になっています。

ブログに要るものはひととおりそろっています。

技術スタック

AstroPaperがどんな道具でできているかを一覧にします。ここで名前だけ拾っておくと、後の章がラクになります。

役割使っているものこのシリーズで扱う章
フレームワークAstro全体
型チェックTypeScript第4章
スタイリングTailwind CSS第8章
サイト内検索Pagefind第9章
OG画像生成Satori + Sharp第10章
アイコンTabler Icons第3章
整形・静的解析Prettier / ESLint第2章

Pagefind は、ビルド時に記事の文章から検索用の索引ファイルを作っておき、ブラウザ側でその索引を読んで検索する仕組みです。検索用のサーバーが不要なので、静的サイトのまま全文検索が実現できます。

Satori は、HTMLに似た記述から画像(SVG)を生成するライブラリです。AstroPaperはこれを使って、記事タイトル入りのOGP画像をビルド時に自動生成します。

道具の数は多く見えますが、土台と見た目と機能と開発支援の4つに分ければ済みます。

Astro・TypeScriptの土台、Tailwind CSS・Tabler Iconsの見た目、Pagefind・Satoriの機能、Prettier・ESLintの開発支援という4つの役割に技術スタックを分類した図

他の選択肢との違い

WordPressなどのブログサービスとの違い

WordPressのようなCMS(記事を管理・配信するシステム)は、アクセスがあるたびにサーバー上でページを組み立てます。一方AstroPaperは、あらかじめHTMLファイルを作り切って置いておく方式です。

観点AstroPaper一般的なCMS
記事の書き方Markdownファイルを追加してビルド管理画面から投稿
サーバー静的ファイルの配信だけアプリケーションサーバーとDBが必要
表示速度非常に速い設定次第
運用の手間ビルドとデプロイの手順が必要管理画面で完結
費用無料枠のホスティングで運用しやすいサーバー費用がかかりやすい

管理画面から手軽に投稿したいならCMSです。Gitで記事を管理したい、表示速度と運用コストを取りたい、という人はAstroPaper。

違いの根っこは、ページをいつ組み立てるかの1点です。必要なサーバーも費用も、そこから枝分かれします。

左に一般的なCMS、右にAstroPaperを並べ、アクセスのたびに組み立てる方式と作り切って置いておく方式の違いを、記事の書き方・サーバー・表示速度・費用の4項目で比べた図

他のAstroテーマとの違い

Astroのブログテーマはたくさんあります。その中でAstroPaperは、機能を盛らずに必要なものを丁寧に作ってあるタイプです。派手なアニメーションも大量のコンポーネントもありません。代わりにアクセシビリティとSEOの細部が整えてあり、コードを読み切れる規模に収まっています。

シンプルに始めて自分で育てていきたい人向けです。

ライセンスについて

AstroPaperはMITライセンスで公開されています。MITライセンスは、著作権表示とライセンス文を残せば、商用利用も改変も再配布も自由にできます。個人ブログはもちろん、業務で使うサイトにも利用できます。

ただし、リポジトリの LICENSE ファイルは消さずに残してください。

要点

参考資料


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